現像カウンターで働くサイは家族も友人もいない孤独な中年男だ。

常連客の主婦のニーナ・ヨーキンの幸せそうな家庭に憧れている。

サイは、ヨーキン家の写真をこっそり自宅の壁に貼り、自分が家族になる空想していた。

実際のヨーキン家は夫婦喧嘩でいさかいの堪えない日々だった。

ある日、サイは上司から解雇を告げられる。

サイは、ニーナの夫が他の女性と浮気していたことに気が付いた。

自暴自棄になったサイは激情にかられ、ニーナの夫と相手の女性を脅して裸の写真を撮影する。

異常な行動に歯止めがかけられなくなったサイは、ついに逮捕されるのだった。

この映画を見た時、ぞっとするような不快感に襲われた。

現実にサイのような孤独な中年男の多い事はよく聞く。

孤独であるがゆえに、一つの対象にのめり込んだ時に、なかなかその場を離れようとはしない。

若者ならば、人生の方向転換や色々な新しい出会いが用意されるが、こういう男には何もない。

何もないゆえに、ニーナからしたら、迷惑極まりない行為を親切心で押し付けてくる。

孤独な人間が陥りやすい異常な妄想や思い込みは狂気に果てしなく近い。

写真のやりとりしかしない通りすがりの他人に対して、一方的な思いと執着をぶつける事自体が異常性なのだ。

人との距離感や付き合い方を学ばずに良い歳に成った主人公も哀れに感じた。

心の底から思ったのは、こういう人に狙われたら、本当に迷惑だなと思う映画だった。

ネットストーカーにもこういう種類の人間がいそうだ。

こういう人間は常に誰かに気が付いてもらいたい、かまってもらいたいと思い続ける習性があるのかも知れない。

日々雑感