アートを巡る旅

東京都美術館へエル・グレコ展を見に行った。

グレコの作品を24年前にトレドで見て以来、忘れられない画家として、私の記憶の中に存在していた。

神秘と深い宗教観、天上界をまるで見てきたかのように表した宗教画に魅せられる人は多いだろう。

トレドへの旅は数時間だったが、グレコへの憧憬は日々心に温めていたように思う。

今回月日を経て、日本でこれだけの数の作品を観れた事は有難い思いで一杯だ。

ギリシャ人というあだ名をもつ「エル・グレコ」と言う画家は、キリスト教にまつわる図像を描くイコン画家として活躍する。その後イタリアで西欧絵画の技法を習得し、35 歳頃スペインのトレドで製作の場所を移す。

細長くデフォルメされた人体や超自然的な光の効果を特徴とする独自の様式によって、対抗宗教改革のカトリック的熱情と神秘を反映した宗教画を描いた。ヘレニズムとルネッサンスの融合を感じさせ、カトリックの主題を見事に神秘的に描き出した世界的な画家の一人である。

グレコの絵の斜めに顔を傾けて身体を捻らせた、もしくは肩の力が抜けた感じの人物の表現に、人間と言うよりも聖人の様相が伺える。

これを見ていて唐突だが、最近流行の栗原類というモデルを思い出した。

ネガティブイケメンという事だが、肩の力が妙に抜けて飄々として、若干陰鬱な所が、エル・グレコの絵に似ているなと私は感じた。風貌がイエス・キリスト風の聖人の雰囲気を持つように感じた。

不思議な発言の多い若者らしいが、個性的でアーティスティックな感性があると見える。

モデルというよりも、クリエイティブな事を仕事にすればと思う。

大きく話は外れてしまったが、今の人は自分を出したがらない。個性を殺そうとする。

自分のままで我が道を究めれば、自ずと道は開けると信じている。

エル・グレコも生きている間には、賛否両論があり、それと闘いながら製作を続けた。

なんでもそうだが、何かを続けるには自分を信じるしか道はないと思う。