18世紀、パリの街角は悪臭と猥雑さに満ちていた。魚の屍骸の匂い、汚物や人々の匂い、様々な悪臭が行きかう中、街角で魚の屍骸の上に産み落とされた赤ん坊が死産と間違われて捨てられた為に、母親が絞首刑になる。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の臭覚を持っていたが、なぜか彼自身には体臭がなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街・グラースへと向かった。グルヌイユは、天使の香りのごとき至高の香水を作りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、その運命の香りと再会する。それは裕福な商人リシ(アラン・マックリン)の娘で、赤毛の美少女ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)が放つ香りだった。一方、脂に香りを移す「冷浸法」を習得したグルヌイユは、この世に唯ひとつの香水作りに着手する。そして、その日からグラースの街は恐怖に包まれた。若く美しい娘が、次々と殺されていったのだ。しかもすべての被害者には、髪を刈り落とされ、全裸死体で発見されるという奇妙な共通点があった。

数年前の映画、なんとなく印象に残る映画だった。

なんとも官能的で、幻想的な美しい映画だった。

人間の五感の中で嗅覚は官能と深くかかわりがあるように感じる。

それと記憶だろうか。その場の香りや、その人の持つ匂いで感覚的捕らえていたり、覚えているという能力がある。

動物や植物にはほとんど香りと言うものある。だから動物は自分の匂いでマーキングする・・・しかし主人公は匂いを持たない男。

彼が生きていながら死の世界にいる人間のように感じる。

それ故に、生きている証である娘たちの体臭に魅せられて、集めようとする。

まるで花びらから香りを集めるがの如く、花を摘むように娘たちに手をかける

香水と言うものは、花の屍骸でもあり、植物の生命のエッセンスを凝縮したものとも考えられる。

香りは脳の奥に刻み込まれる。そして深い官能を呼び覚まそうとする。

呪われたような過去を持つ男の唯一つ求めるものは香り。

彼の作る香りによって、人々はひれ伏すようにその香りを求め、近づこうとする。

香りは人間の本能に火をつける。

フェロモンも香りと同義語でもある。

恐ろしい映画だなと魅せられた思いがある。

アートを巡る旅
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